副業OKのサラリーマン漁師
事務パートタイマーの玉置です。
皆さんはタイトルの『副業OKのサラリーマン漁師』と
聞いてどのように感じられますか?
漁師は漁業協同組合に所属して自分の船を持ち、
一人ないし家族で漁をするというイメージですが、
サラリーマン漁師は、文字通りで、会社組織。
定時の出退勤があり、給料制で、社会保険や雇用保険、ボーナス、
定休、有給休暇などの福利厚生が充実している漁師なんだそうです。
このシステムを導入しているのが、新宮市から意外と近い
三重県御浜町にある「阿田和大敷漁業生産組合」
三重県紀宝町鵜殿港 阿田和大敷(定置網)で獲れた魚を水揚げ
社員の皆さんは午前5時の始業に合わせて出勤し、タイムカードを打刻する。
そして御浜沖に設置されている大敷(定置網)へ向かって会社の船で出港する。
網から魚をすくい上げ、鵜殿港(三重県紀宝町)へ水揚げし、競りにかける。
舟の手入れをしたり、網の手入れをしたりして、午後1時頃には退勤になるそうです。
その後はそれぞれ自分の時間を過ごす。
家に帰って寝る人。
少年野球のコーチをする人。
趣味のサーフィンをする人。
副業OKなので、エビやカニ漁に出かける人。などなど。
年配の社員(漁師)もいるようですが、30代、40代が中心で、
来年3月に高校を卒業する若者の入社も決まっているという。
雇用がしっかりしているので地道に勤めることができるそうです。
やはり仕事を継続するには安定と安心ですね。
三重県御浜町阿田和 七里御浜 この沖に11月になると阿田和大敷(定置網)が設置される
今までの漁師は、世襲制も多く、船や道具に多額の投資をしなければいけませんでした。
『阿田和大敷漁業生産組合』の取組も次世代へ継承していくために
試行錯誤の末にたどり着いた道だそうです。
話を聞いていてもう一つ驚いたのが、漁師さんのお住まい。
漁師といえば、海のそばだと思ったら、
中立地区(御浜町の山の中)という。
台風や荒天の時は悠長なことも言っていられないのだと思いますが、
これもサラリーマンだから住まいはどこでも大丈夫と。
会社だから皆で力を合わせることができるからと。
一人で頑張らなくても皆が助けてくれる。
(力強く、大切な言葉ですね)
後継者不足に悩んでいる職種の方々にはこうした
発想の転換も大事なのではと思った出来事でした。
三重県御浜町阿田和 七里御浜 この沖に11月になると阿田和大敷(定置網)が設置される
なぜ、唐突に漁業のことを書いたかといいますと、
御浜町の七里御浜で浜辺を見ていて、
雄大な太平洋があるけど、
御浜港?(阿田和港?)に水揚げされた魚の話を聞いたことがないな。
それよりも御浜町で漁港を見たことがないな。
と思って調べたら、
獲れた魚はお隣の紀宝町の鵜殿港へ水揚げ、
船も鵜殿港に係留している。ということがわかりました。
なによりその先にある『サラリーマン漁師』の取組には未来があると感じました。