月の兎は信仰心が厚かった
こんにちは。月曜ブログの小松です。
9月といえばお彼岸やお月見などがありますね。
中秋の名月の日に月を鑑賞する風習は9世紀ごろに中国から伝来したそうです。
旧暦8月15日の夕方に出る月のことを言い、現在使われている新暦では9月7日〜10月8日の間の満月の日とされ、毎年日が違います。今年は10月1日が中秋の名月になるそうです。
豆知識 月の兎
皆さん一度は聞いた事があると思いますが、月の模様が兎に見えることから月に兎がいるとか餅をついている姿だとかいう話がありますよね。
お月見について調べていたら兎の話が出てきて、由来が仏教だと書いてあって驚きました。昔からよく知っている話なのに由来について考えた事がなかったです。
月にいる兎の話はアジア各地で古くからある伝承で、「ジャータカ(本生譚)」というインドの仏教の説話が由来だそうです。(「ジャータカ」は主にお釈迦様の前世のお話)
日本に伝わり、「今昔物語」にも収録されています。
森に住むウサギ、サル、キツネ、カワウソが、飢えて行き倒れていた老人のために食料を探してあげるというお話。
この動物たちは誠の心を持ち、共に修行に励んでいました。お腹を空かせた老人に、サル、キツネ、カワウソは魚や木の実などを採ってきて施しましたが、ウサギだけ何も食べ物が見つかりませんでした。ウサギは老人に火をおこす様に言い、火の中に身を投げて自分自身を施しとしました。老人は命を投じた慈悲の心に感動し、実の姿である帝釈天になり、「此の兎の火に入たる形を月の中に移して、 あまねく一切の衆生に見せしめむがために月の中に籠め給ひつ。よろづの人、月を見むごとに此の兎の事思ひいづべし。」と言って、月にウサギの姿を映したのでした。
ジャータカ版と今昔物語版で詳細は少し違うのですが、要約するとこの様なお話です。
お餅をついているだけかと思っていた月の兎は、困っている人のために自分の出来る事を全力でしてあげるすごい兎でした。
以上、お月見の仏教豆知識でした。